平成8年には、町の福祉課の支援もあり菅谷小の2教室に移動。現在、父母会の4名の元、40名余りの学童が屈託のない笑顔を見せてくれる。
この波は今、菅谷西・東、芳野、額田各小学校学区に波及し、それぞれ交流をもちながら活動を活発化しているそうです。
詳細は、那珂広報にて報じられるようなので、ここでは割愛させていただきますが、大人たちは、親たちはそろそろ気付き始めたのかもしれません。学童のもつ別の意味に。
「桃太郎論」、何かの折ふと目にした文献に書いてあったことを思い出します。
桃太郎は、ある時期、自分の生い立ちに疑問を持ちます。自分の父と母は誰なのだろう、自分がこの世に存在する意味とは、そして後に家来となる犬・猿・キジとの信頼関係。
これはある意味、人間が成長していく過程において必ず経験する問題であり、この時が社会に生きるためのテクニックを身につけるときなのだと。
このことがすべてだとは思いませんが、ポレポレ学童を取材してその一端を見たような気がします。
参加したばかりの子供は、大なり小なりトラブルを起こすそうです。今まで家庭において何でも思い通りになっていたことが、ここではそうはいきません。
仲間たちとのトラブルによる焦燥感、孤独感にさいなまれ、そして年上の先輩たちによって、ここに生きる術を学び取るのです。このことが社会に生きるリハーサルとなるのです。
ここには現代、大人たちの社会にも失われた感のある自浄作用があるのかもしれません。
自分のエゴが人間関係を崩壊させる。
世間の目を気にするあまり、自己を見失う。
大人社会の荒廃は、この子たちに救いを求めているのかもしれません。
松本 記
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